業務用の特殊鍵や防犯用品の販売情報

2025年8月
  • ある日突然トイレに閉じ込められた私の話

    それは、何の変哲もない平日の朝のことでした。出勤前の慌ただしい時間、私はいつものようにトイレに入り、習慣で内側のドアノブについている小さなツマミを回して内鍵をかけました。用を足し、さあ出ようとツマミを戻そうとした瞬間、異変に気づきました。ツマミが、回らないのです。まるで固まってしまったかのように、びくともしません。最初は軽く考えていました。少し力を入れれば動くだろう、と。しかし、何度試しても結果は同じ。じわじわと、背中に冷たい汗が流れ始めました。トイレは窓のない狭い空間です。携帯電話も持ち込んでいません。大声で叫んでも、家族はすでに外出しており、静かなマンションの一室では誰にも届きそうにありませんでした。時間が経つにつれて、焦りは恐怖へと変わっていきました。このまま出られなかったらどうしよう。遅刻どころの話ではない。そんな絶望的な考えが頭をよぎりました。私は必死にドアノブをガチャガチャと揺さぶりましたが、状況は変わりません。その時、ふとドアノブの中央に小さなマイナスの溝があることに気がつきました。以前、何かの記事で、こうした室内の鍵は緊急時に外からコインなどで開けられるようになっている、と読んだ記憶が蘇りました。もちろん、私は内側にいるのでコインは使えません。しかし、同じ原理で、内側から何かでこじ開けられるかもしれない。私はポケットを探り、幸運にも入っていた百円玉を取り出しました。そして、その縁をツマミの根元の隙間にねじ込み、てこの原理で少しずつ動かしてみました。すると、ギギギという鈍い音と共に、固着していたツマミがわずかに動いたのです。希望の光が見えた私は、何度も同じ動作を繰り返し、ついに鍵を開けることに成功しました。ドアを開けて外の光を浴びた時の安堵感は、今でも忘れられません。原因は、長年の使用による内部部品の経年劣化でした。この一件以来、私は家の中の内鍵であっても、定期的なメンテナンスや点検が重要であることを痛感しています。そして、トイレに行く時でも、必ずスマートフォンを持ち込むようになりました。

  • プロが語るイモビライザーの重要性と限界

    今回は、自動車のセキュリティを専門に扱うベテラン整備士の方に、イモビライザーの重要性と、その限界についてお話を伺いました。「イモビライザーが普及して、自動車盗難の手口は劇的に変わりましたね。昔は、いわゆるピッキングやドアのこじ開けで車内に侵入し、ハンドル下の配線を直結してエンジンをかける、という手口が主流でした。しかし、イモビライザー搭載車では、この直結が通用しない。ECUがエンジン始動を許可しない限り、どうやっても燃料は噴射されませんから。この一点だけでも、イモビライザーがどれほど盗難防止に貢献しているか計り知れません」と、その重要性を強調します。しかし、プロの目から見ると、イモビライザーがあれば絶対に安心、とは言い切れない現実もあるようです。「我々プロの世界では常識ですが、どんなに強固な鍵でも、それを破るための技術は必ず生まれます。イモビライザーも例外ではありません。イモビカッターやリレーアタックといった、電子システムそのものを騙したり、無効化したりする手口が登場したことで、イモビライザー神話は崩れつつあります。特に、リレーアタックはスマートキーの利便性を逆手にとった巧妙な手口で、ユーザーが自宅でくつろいでいる間に、駐車場から車が消えるという悪夢のような事態を引き起こします」。では、私たちはどうすれば愛車を守れるのでしょうか。「最も大切なのは、イモビライザーを過信せず、複数の防犯対策を組み合わせる『多重防御』の意識を持つことです。イモビライザーは、あくまで電子的な防御の第一線。それに加えて、昔ながらの物理的な防御をプラスするのです。例えば、視覚的にも盗難を躊躇させる効果のあるハンドルロックやタイヤロック。あるいは、衝撃や不審なドアの開閉を検知して大音量で警告するカーセキュリティアラーム。これらを併用することで、窃盗犯に『この車は時間がかかりそうだ、面倒だ』と思わせることが、何よりも効果的な抑止力になります」。最後に、彼はこう締めくくりました。「イモビライザーは、現代の車に不可欠な素晴らしい技術です。しかし、それに甘んじることなく、自分の車は自分で守るという強い意識を持つこと。それこそが、究極の盗難対策なのかもしれませんね」。