これまで数千箇所のドアノブや鍵の交換を手がけてきたベテランの錠前技師である高橋さんに、一般の方がDIYでドアノブを交換する際の注意点を伺いました。高橋さんによれば、最近はYouTubeなどの動画サイトでやり方を学習して挑戦する方が増えており、その意気込みは素晴らしいと感じているそうです。家の中でも最も過酷な環境に置かれているのが、浴室のドアノブです。毎日の入浴による高温多湿な状態、そして石鹸カスや皮脂の付着により、金属製のドアノブは内部から激しく腐食していきます。特に15年以上経過した浴室のドアノブは、表面は綺麗に見えても内部のバネが錆びて折れていたり、ネジが完全に固着していたりすることが一般的です。このような錆びたドアノブを交換する場合、通常のやり方では通用しないことが多いため、いくつかの特殊なコツが必要になります。まず準備すべきは、強力なネジ潤滑剤と、金属を切断できる金切ノコギリ、そして電動ドリルです。ネジが錆びて回らない場合、まずは潤滑剤をたっぷりと吹き付け、数時間から1晩放置します。これだけで回るようになることもありますが、それでもダメな場合はネジの頭をドリルで破壊するか、ノブの首部分をノコギリで切断する覚悟が必要です。浴室のドアノブ交換で多い失敗は、力を入れすぎてドアの樹脂パネルを割ってしまうことですので、力任せに作業せず、道具を駆使してスマートに解体することを目指してください。古いノブをなんとか取り外せたら、次はドアに残った錆や汚れを完璧に除去します。これを怠ると、新しく取り付けたドアノブにすぐに錆が移ってしまいます。サンドペーパーで表面を整え、防錆スプレーを軽く塗布しておくと安心です。新しく購入するドアノブは、必ず浴室専用の樹脂製か、ステンレス製の錆に強いタイプを選んでください。最近では、水が内部に侵入しにくい構造のシリコンパッキンが付属したモデルも販売されています。取り付けの際は、ネジ穴に少量の防水グリスを塗っておくと、次回の交換時に苦労せずに済みます。また、浴室側のハンドルには鍵、すなわち非常解錠装置がついているタイプを選ぶのが一般的です。万が一、中で誰かが倒れた際にも、外側から10円玉などで開けられるようになっていれば、防犯と安全の両立が可能です。浴室のドアノブがスムーズに動くようになると、毎日のバスタイムがより快適で安心なものに変わります。錆という手強い敵に立ち向かうのは大変な作業ですが、正しい道具と手順を踏めば、必ず自力で解決することができます。自分自身の力で住まいをメンテナンスする楽しさを、ぜひこの難易度の高い浴室のドアノブ交換で味わってみてください。
錆びた浴室のドアノブ交換を自力で完結させるためのコツ