「トイレに入りたいのに、中から鍵がかかったままで誰も出てこない」「子供が中から鍵をかけてしまい、開け方がわからず泣いている」など、トイレの鍵が外から開けられずに困ってしまう状況も少なくありません。特に、小さなお子さんや高齢のご家族がいる家庭では、いざという時のために、外からの開け方を知っておくことが非常に重要です。トイレのドアに採用されている表示錠には、前述の通り、必ず「非常開錠装置」が備わっています。まずは、ドアノブや表示窓の部分をよく観察してください。多くの場合、マイナスの溝が切られた丸い部品や、小さな穴が開いているはずです。これが、外部から強制的に解錠するための入り口です。溝があるタイプの場合は、十円玉などの硬貨(コイン)や、マイナスドライバーを用意します。その溝にコインの縁をしっかりと合わせ、ゆっくりと力を込めて回します。製品によって回す方向(時計回りか反時計回りか)は異なりますが、どちらかに回せば、カチッという手応えと共にロックが解除されるはずです。鍵穴のような小さな穴が開いているタイプの場合は、その穴に合う細くて丈夫な棒、例えばボールペンの先や、ヘアピン、千枚通しなどを差し込み、奥にあるボタンを押し込むことで解錠できます。もし、これらの正規の方法で開かない場合は、別の原因が考えられます。例えば、ラッチボルトやデッドボルトが、ドア枠の受け金具に強く引っかかってしまっているケースです。この場合は、ドアを少し押したり引いたりしながら、同時に非常開錠装置を操作すると、うまく外れることがあります。また、長年の使用による錠前内部の故障も原因として考えられます。部品が破損し、完全に動かなくなってしまっている場合は、無理にこじ開けようとせず、速やかに鍵の専門業者や、賃貸であれば管理会社に連絡するのが賢明です。無理な力を加えると、ドアやドア枠を破損させ、修理費用が高額になる可能性があります。いざという時に備え、自宅のトイレの鍵がどのタイプで、どうすれば外から開けられるのかを、平時に一度確認しておくことを強くお勧めします。
トイレの鍵が外から開かない時の原因と対策